2014年02月14日
2/12に間接的にお客様の声が寄せられました。
イベント出店させていただいた施設に無記名で寄せられたお声です。
食品加工に携わり、日々ジャムを作るものとして、申し訳ないと同時に
これからの姿勢を問われる内容でした。
ここに転記して公表することで、書いてくださった方がご連絡くださることを願っております。
「去年の11月にジャムを買って知人にあげました。
賞味期限が今年の4月までだったので冷蔵庫にいれておいて
今年の正月に封を切ったらカビが生えていたそうです。
賞味期限前にこうなるってどういうことでしょう。
いま販売しているジャムは大丈夫でしょうか。」
お名前や連絡先の記入は無かったので
こちらから状況を確認するためにご連絡をすることも出来ませんでした。
せっかくギフトとして知人にあげたいと思ってくださったのに、
ご意見を寄せてくださった方にも、開けてカビを見つけた方にも
申し訳ない気持ちでいっぱいです。
何のジャムだったのか、どういう状況だったのか確認するすべはないのですが、
賞味期限が4月であるという手がかりから、うちの製造記録を調べました。
*タロッコオレンジ
*かぼちゃん
*八戸いちご
*りんごの雫
*ブルーベリーピュア
+ピーチ・メルバ
+ブルーカシス
+シシリー
ちょっと動転しておりますので見落としがあるかもしれませんが取り急ぎ以上です。
11月にお求めということですのでおそらくはっち市の時ではないかと思います。
なかでもはっち市で販売したものは上記の5点です。
いままでカビが生えていたという連絡をいただいたことがないので
他の加工業者さまにも相談してあらゆる可能性を考えてみました。
うちのジャムは保存料やゲル化剤も使っていませんし、基本的には果物とお砂糖、他に使うとしてもスパイスやお酒やチョコなどです。
もちろんph調整剤やクエン酸も添加しておりません。
賞味期限は毎回検査に出しているわけではなく、いまの作り方にしてから検査していただいて、
その後は放置試験、官能検査、糖度、流動性などを加味して決めています。
製造してから3ヶ月~10ヶ月です。
滅菌工場ではないので浮遊菌が入るのは防げませんし、
カビ菌は高温で加熱しても死滅することはありません。
しかしきちんと脱気されていれば少なくとも活動することはできなくなります。
糖度を65度以上にすればさらに効果があります。
でも65度のジャムでは甘すぎて敬遠されますね。
ならば製造工程をいま一度見直さなければなりません。
まずは製造効率は下がりますが、これからは一回に仕込む量を減らして少量づつ充填していくやり方に変えていきます。
そして、より美味しいうちに召し上がっていただくために賞味期限を見直します。
さらに保存料など使っていない旨を明記、もしくはリーフレットとしてお渡しするようにいたします。
今回のカビ発生のご連絡は、それが外的なショックからか、製造工程での脱気の甘さが原因なのか
はたまたそれ以外が原因か確認するすべがありません。
ジャムはひと瓶だけ作ることはありません。
となるとそのとき一緒に作ったジャムにもその可能性が出てきます。
今現在工房にある在庫は生姜シロップ以外は5月以降のものしかありません。
ジャムの名前も正確な賞味期限もわかりませんが
お買い上げのお客様で、もし賞味期限が4月のジャムを手元にお持ちの方は
何のジャムでも構いませんのでお手数ですがご連絡をお願い致します。
返金させていただきます。
遠方にお住まいの方はご連絡頂いた後、着払いで返送をお願いしたいと思います。
これまで以上に気をつけて製造して参ります。
ご意見、ご感想などご遠慮なくお聞かせ下さい。よろしくお願いたします。
ジャム工房Otte 中村栄子
***
特に明記したことはないのですが、ブルーベリーを使っているものに関しては、表面に白っぽいものが見えることがあります。
それは新鮮なブルーベリーを覆っているブルームというロウのような物質の可能性がございます。
これはもちろん食べても大丈夫なものです。
それからレモンなどのマーマレードに見られる皮の内側の繊維も白い粒状に見えることがあります。
これも大丈夫です。